頭上なると海峡のうずのなか

人生奮闘中の女子東大生の日々の雑感を書きます

なんで地方創生するの?~地方創生に命かけた東大女子が出した結論~【地方創生をしなければならない4つの理由】

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こんにちは、とみーです!

今回の記事では、もはやこのためにブログを始めたと言っても過言ではない、私の大学生活をかけた地方創生に関する内容を書きたいと思います。

あまりに長い記事になると思うので三部作です(笑)

第一部(本記事):地方創生をしなければならない4つの理由

第二部:どうしたら「地方創生」できるの?

第三部:今最もアツい都市・長野県塩尻市で見た、地方創生の真髄

この3つの内容を、それぞれお話ししていきたいと思います!

***

【地方創生をしなければならない4つの理由】

「東京一極集中でいいじゃん。なんで地方創生する意味があるの?」

こうある人に言われ、うまく言い返せなくて泣いたことがある。
当時は「そんなこと言ったって大好きな故郷が無くなったら誰だって悲しいだろ!」みたいな感情論しか振り回せず、そういう思慮の浅い自分が嫌で泣いた。


そこからいろいろと勉強・経験を重ね、「東京一極集中はなぜだめなのか。なぜ地方を活性化させなければいけないのか」という理由をいくつか見つけた。

それをこの記事で紹介します。

なお、ここでいう「地方創生」の定義とは、「現在人口減少が進んでいる、第一次産業の担い手が多い地域に人口を維持・増加させ、産業を活性化させる」こととします。

 

~東京一極集中がダメな理由~

その1:災害大国・日本で都市機能がひとつに集中するとめっちゃ危険だから

日本は地理的に地震・火山・台風が起きやすい。
北朝鮮はミサイルばんばんぶっ放してくるし、中国は対外膨張まっしぐら。
どうしようもない地政学リスクが大きすぎる。

私は0歳の時に阪神淡路大震災を経験したし、高1の時には東日本大震災を見た。
たかだか23年しか生きていないけど、「100年に1度」「1000年に1度」みたいな災害が2回も起こってる。おいおい10年に1度じゃん。

首都直下地震がこの30年以内に起こる確率70%とか言われてる中で、正直、都市機能を一つに集積することにはリスクしかないように思われる。

 

その2:人口には最適値が存在するから

人口って、少なすぎても問題だけど、多すぎても問題にされる。
それだったら、「ちょうどいい人口」っていうのが存在するのでは?

そう考えた人は少なくないと思う。

この「ちょうどいい人口」のことを「最適人口」と言うのですが、経済学の理論上では、その最適人口が存在することが証明されている。

最適人口の定義はいろいろあるけど、最もメジャーな定義だと、市くらいの規模ならおよそ10万人~45万人くらい。(詳しくは林(2002)を参照)

田中角栄もこのことを唱えて、「日本列島改造論」は大ベストセラーになった。「都会の過密・地方の過疎を解消し、皆が快適で幸せな暮らしを!」

今のところ私の中で田中角栄先生のこの主張を否定する言葉は見つからない。

東京の満員電車はマジで死んでくれって感じだし、待機児童の問題とか、東京の過密問題は深刻。

もうちょっと適切な規模で人口が分散した方が皆が幸せになれる気がする。

この最適人口は私の卒論のテーマなので、もっと詳しく知りたいという人、逆にもの申したいという人はいくらでも声かけてください✋

 

~地方が生き残らなければならない理由~

理由その1:地方が担っている第1次産業が衰退すると国家は崩壊するから

さて、トップに表示されたこの画像を見て、皆さんは何を思っただろうか?

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 「何もねーじゃん」

って思ったそこのあなた!!!!

あなたの目は節穴です!!!!!!!!

ここには「何もない」のではなく、あなたの命を支えるものが映っているのです。

私はよく、都会育ちの人に田舎の生活について馬鹿にされたときに、

「いや、都会の人間は田舎で作ったご飯食べて生きてるんだけど???田舎なくなったら困るのおまいらだからな???」

と心の中で思っていた(笑)

まさにこれで、都市部で人々が生きていくためには、農業や水産業で食料を生産している人が不可欠!!だから、冒頭の定義にのっとると、第一次産業の担い手が多い地域で食糧生産を担う人口は維持する必要がある。

とはいえ、

「日本の食料自給率がゼロになったって、海外から輸入すればいいじゃん」

と、思っている人もいるだろう。ところがどっこいそうは問屋がおろさない。

実は、農産物の国際市場は「薄い市場(thin market)」と言われていて、生産量に対して貿易量が少ない。これはつまりどういうことかというと、外国は「農産物を作っても売ってくれない」時が多いということ。

理由は簡単で、「食べ物は余った時に輸出する」から。その生産国で食料が足りなくなったら輸出しない。

もちろん輸出を前提に生産している国もあるけど、基本的には食料は国内の需要を満たすことを目的に生産されている。

「じゃあ、その輸出を前提にしてる国から輸入すればいいじゃん」

と言う人もいるかもしれないけど、これには倫理的な問題も絡んでくる。

例えば、タイ米で有名なタイが、国内でコメ不足が起こっていた時、それでも輸出を続けたことで品薄に拍車がかかってコメ価格が上昇し、タイ国内の貧困層が大ダメージを受けた、ということがある。

つまり、私たちが無理矢理外国から買おうとすると、その国の人たちが困ってしまう事態になる。

それでも無視して輸入すればいいと思いますか?

もちろん日本の生産量だけで食料自給率100%は現在ほぼ不可能な状況ではあるけど、食料安全保障上、自給率を下げていい理由はないのです。

 

理由その2:イノベーションを起こすためには多様性が必要だから

私の地元、秋田はよく「なんもない」と言われる。私も秋田について深く学ぶまではちょっとそう思っていた←

でも全くそんなことはない!!!

例えば、秋田は鉱物資源が古来より豊富で、2014年には国内初のシェールオイルの商業生産がなされた地でもある。

ほかにも、仙北市にある強酸性の玉川温泉は、癌の湯治(温泉を使った長期療養)場としても有名で「奇跡の湯」と言われている。この温泉を使った、ドイツのバーデン・バーデンのような医療ツーリズムの可能性が見込まれ、仙北市は現在国家戦略特区に指定されている。

こういったその土地にしかない資源がどの地域にもある。
もうちょい身近な例でいえば、寒い地方でおいしい食物があり、よくとれる魚がいる一方で、暑い地方でしかとれないものもある。なので、おいしいものたくさん味わいたかったら、各地域の食文化だいじ。
とまあこのように、各土地において色んな気候・文化があって、それゆえに発展したイノベーションがある。また、県民性ってのが確かに存在していて、色んな考え方・価値観を持った人がぶつかることで新しいものは生まれると思う。だから、その多様性を担保するためにも地方の文化圏は消滅してはいけない。

 

以上が、私が色々勉強して納得した、4つの「地方創生」の理由です!

次回は、私が活動を通して感じた「じゃあどうやったら地方創生できるの? 何をもって地方創生って言えるの?」ということを話したいと思います

ではまた☆